おひさまのかたち

日々つれづれ。剣道・読み語りなど

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弥生のまとめ

 後輩が大学が決まったというので報告に来ました。
久しぶり過ぎて心許なく後ろをうろうろしているので、
竹刀を一本渡したら水を得た魚の如くぶんぶん振っているので、
折角だから切り返しだけ受けました。
実に縁起のいい切り返しを受けさせて頂いたよ、嬉しいねえ。

 ゲームの文アルで有島武郎の『或る女』が出てきたので読み始めました。
葉子さん、冒頭から飛ばしているねえ。
非常に高慢で我儘な女として書かれているという話だったのですが、
いやいやどうして。波乱万丈の中を自分を失わずに生きようとする姿勢は悪くないですよ。
今の所はね。


3月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1815

週刊ニッポンの国宝100 21 風信帖/迎賓館赤坂離宮[分冊百科] (2018年2/20号)週刊ニッポンの国宝100 21 風信帖/迎賓館赤坂離宮[分冊百科] (2018年2/20号)
書は、その文字自体の読解も時代を経ると困難な所が難しいのだが、その書体の採用にどういう意味があるのか説明されている所が少ないのが残念。
迎賓館については、どれも実に素晴らしい写真の採用が嬉しい。
迎賓館の関連年表の冒頭に「ジョサイア・コンドル来日」とあるのがいいじゃないか!
その後もコンドル先生の扱いが良くて嬉しいが、もうちっと東熊本人の人物像を紹介しても良かった気が。
読了日:03月05日 著者:


虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
うーん…。ゼロ年代SFは、
生きることに対する愛とか熱意をこそげ落としても
なお有る気力、が面白いんだろうけれど、
その分悲哀も削られているようで物足りない気がした。
他の方の感想を見ると絶賛の嵐なので、
私の読み取りが足りないんだろうなあ。
色々深読みしすぎた。
『ハーモニー』に入るかどうかはまだ思案中。
大勢が読んでいる本を読むと、反応があるのは面白い。
読了日:03月09日 著者:伊藤 計劃


砂の器〈上〉 (新潮文庫)砂の器〈上〉 (新潮文庫)
100de名著での紹介が面白かったので読み始めたら止まらない感じ。
ミステリー好きの上司曰く「ミステリー界の5本の指にはいる名作だ」。納得。
世界観、文化・社会の広がりといい、広域に跨る事に舌を巻く。下巻楽しみ。
読了日:03月17日 著者:松本 清張


砂の器〈下〉 (新潮文庫)砂の器〈下〉 (新潮文庫)
面白かった。「100分de名著」を見たので犯人は分かっていたのだが、それでもどういう展開になるのかずっとはらはらして読めた。今西刑事の人柄がいい。昨今のすぐ内部の裏切りに話が進む警察モノより、時代が生む悲劇を丁寧に拾い上げている具合が社会の弱者に寄り添っている感じがして、筆者の視線があたたかい。
後半、長文の事件解説が入るのだが、あまり苦にならなかった。
あっけない終わり方も潔くていい。
読了日:03月20日 著者:松本 清張


ゴールデンカムイ 13 (ヤングジャンプコミックス)ゴールデンカムイ 13 (ヤングジャンプコミックス)
相変わらずの面白さ。「闇鍋ウェスタン」が、今回本当に「闇鍋」だった。
アシリパさん、どこで杉本を判別しているの…?大きく話が展開していく所。今後も楽しみ。
読了日:03月21日 著者:野田 サトル


死後 死後
文アル読書会。
まー、何とあっけらかんとした!死の前年に書かれたものだそうだが、『病床六尺』がおいしい食べ物と弟子達との交流の楽しさを書いているように、自分の死と棺桶の話をして居乍ら、とかく楽しそうで明るいのだ。
7年の病苦を笑いに変えるこの強さは驚愕である。
読了日:03月22日 著者:正岡子規


NHK歴史への招待〈第16巻〉剣客の時代 (新コンパクト・シリーズ)NHK歴史への招待〈第16巻〉剣客の時代 (新コンパクト・シリーズ)
取り上げられている主な項目は以下。塚原卜伝、寛永御前試合、千葉周作、榊原健吉。
時代小説の虚から事実を掘り出そうと検証する本書。
後半の榊原健吉について、特に静岡時代についての史料・伝記は非常に手に入りにくいので有難かった。
但し、出典・信憑性は限りなく不明。卜伝についても剣道経験者が現在の剣道と引き比べて語っている所が面白い。
読了日:03月23日 著者:


コンドル博士遺作集コンドル博士遺作集
コンドル先生の資料を読んでいると、必ずといっていいほどこの本の話が出てくる。
だが非売品で、稀少古書で、見ることは叶わないだろうと思っていた。
それが見られるなんて!デジタル国会図書館凄い。
現存しない建物のバリエーションが素晴らしい。
93コマに暁斎先生の額が出てくる。それも嬉しい。
読了日:03月28日 著者:コンドル博士記念表彰会

ザ・グレイ [DVD]
少し前に『狼に冬なし』(岩波少年文庫)を読んでいたので、雪原での狼の遠吠えは非常に恐ろしさを感じた。
眼に見える敵として狼が描かれているが、本当に怖いのは、自然の中に置かれた人間の無力さだ。
もっと生きたい人が死に、最も死にたいと思っていた人が生き残って行く皮肉。
他の人の評価が非常に低いのが不思議だが、私はとても面白かった。
(後日、『狼に冬なし』の翻訳が多喜二の盟友・中野重治だったことに気が付いてびっくりする。)
観了日:03月22日

あと、途中で『ちはやふる』の下の句見てます。
それなりに面白かった。
(ワタクシ一押しの原田先生が尺の都合上端折られているのでね、仕方ないんだけれども。)

それから、この間のドラマ『アンナチュラル』が大層面白かったです。
中堂先生役の井浦さんが荒っぽくて尖ってて、
物腰柔らかでゆったりした日曜美術館の井浦さんと正反対な印象な所がギャップ萌えでした。
素敵過ぎる。
これからの日曜日、何を楽しみにしたらよいのだ。
夫の意見で、同じ脚本家の作だという『逃げるは恥だが役に立つ』を今頃見始めましたよ。
第二話、田山花袋やんけ!『蒲団』やんけ!!
ガッキーがヒロインだと思っていましたが、源さんの方だったんですね。
少女マンガよろしく、所々今時そんな高級感あるかーい!と思う所もありますが
貧乏人の僻みね、ドラマなんだからそれもよしとして、お話はなかなか面白いですよ。

 さあ、新生活だ。
呑み込まれないように、淡々と坐りませうぞ。

| 読書録 | 17:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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如月の読書

 ちょっと気持ちがめり込んでいる時にうっかりHTMLを触ったら、
アホな修正をしてしまったようで、再修正できていません。
トップ頁の更新はもうちっとお待ち下さいませ。

2月の読書
読んだ本の数:10
読んだページ数:1255

外天楼 (KCデラックス)外天楼 (KCデラックス)
最初から、アイスの子がずっと通して出ているな、とは思っていた。こういう展開になるとは。短編連作の名手だな。個人的には、落ちにもう少し温かみが欲しかった。
読了日:02月01日 著者:石黒 正数


くつやの まるちん (国際版絵本)くつやの まるちん (国際版絵本)
トルストイ原作。色味といい、暖かい絵本。子どもに言葉が易しいので分かり易い所も悪くない。少々末法臭い感はある。
読了日:02月01日 著者:かすや 昌宏,渡 洋子


独歩手記独歩手記
これは読みづらかった…。独歩さんが亡くなってから編集で出されたものだからもあるだろうが、どこに向かって書かれたものだかよく分からない。確かに読めば国木田独歩の文以外の何者でもないのだが、前半は特に逡巡と戸惑いと落ちの付かない思索の渦中にあって振り回される感じだ。
後半・感想断片からは国木田作品の断片が垣間見える。
96コマの「あゝ不思議だ、~」はそのまま私の大好きな『悪魔』の一説だ。
読了日:02月05日 著者:国木田 独歩


氷菓 (角川文庫)氷菓 (角川文庫)
主人公が今時の学生っぽいと言おうか、無理にでも淡白に生きようとしている印象を感じる。もうちょっと熱が欲しいなあ。簡単に済む所を回りくどくし過ぎる為か、「氷菓」の意味もそこまで響かなかったのが残念。キャラクターとしてはお姉さんがいい。
私の読む本は、登録者数・感想を書く人が滅多にいないものばかりなので、この程度の感想で「いいね」が沢山付いて(それでも二桁いったぐらいだが)共感されるとむしろびくびくした次第。
読了日:02月06日 著者:米澤 穂信


星空の話 (福音館の科学シリーズ)星空の話 (福音館の科学シリーズ)
本の構成がいい。淡々と夜が更け、星空が広がり、お話の世界へ繋がり、また現実の世界へ戻ってくる。プラネタリウムを見るような楽しい絵本。
読了日:02月06日 著者:関口 シュン


こちらの 朗読 より 
大層面白かった。途中からオチは見えたのだが、それでもその持って行き方というか、謎と怪しげな空気の中で明かされていく素性の具合がとても不思議な感じがして面白かった。
視聴日:02月07日 



瓶詰地獄瓶詰地獄
初夢野久作。
時系列を瓶の開封に任せる事によって掻き混ぜている手法は実に面白い。手紙の発見報告からの展開もとても面白い。
読了日:02月14日 著者:夢野久作

ノリが良くて見易い。中村監督の映画は家族で見られる娯楽映画な所がイイ。

視聴日:02月14日 著者 :
原作・和田竜、監督・中村義洋




ビリービンとロシア絵本の黄金時代 (ToBi selection)ビリービンとロシア絵本の黄金時代 (ToBi selection)
購入、再読。
以前、『靴屋のミハエル』を描いていた時に参考にした本。この時代のロシア絵画は、日本の明治・大正期の小説の挿絵によく似ていていい。
読了日:02月15日 著者:田中友子


草野心平詩集 (新潮文庫 く 3-1)草野心平詩集 (新潮文庫 く 3-1)
良かった。草野心平は天才だな。これは音にして読むのがいい。「ごびらつふの独白」とか「誕生祭」とか、蛙語を音読したものが聞きたくなる。個人的には、「大ガラスの下」とか「わが抒情詩」「私は信じ私は待つ」「阿蘇山」「ぱつぷくどん」とかが好き。
心平本は、もっと再版されて読みやすくなればいいのに。
読了日:02月15日 著者:草野 心平

著者 :
バンダイビジュアル
出演・松田龍平、柄本明、他

展開が緩慢で、切れが悪い。背景となる島は素晴らしいが、キャラクターの面白い設定を生かしきれていない感じで勿体無かった。出演陣はどれも名演。
視聴日:02月16日 



龍土会の記 (青空文庫)龍土会の記 (青空文庫)
つらつらとその当時のことが書かれたもの。龍土会については、あまり人物像や談義が書かれていることが少ないので、その場に居た人から描かれる証言は貴重で面白かった。
(「龍土会」は独歩さんが企画した、自然主義文学者を中心とした飲み会。)
読了日:02月19日 著者:蒲原有明

著者 : 角川映画
もっと重苦しい、散漫な窮屈感を想像していたのだが違った。テンポが速く、ずっと現代的だった。
主演の市川雷蔵は島崎藤村を思わせる風貌で、小説家の先生は印象強くその奥方共々素晴らしかった。また、雪国の陰影がモノクロ画像で描かれるのも、色が付いているより邪魔なものがなくてより際立って社会や世間を描くのに印象的で良かった。

原作・島崎藤村、監督・市川昆、主演・市川雷蔵 視聴日:02月20日


独房・党生活者 (岩波文庫)独房・党生活者 (岩波文庫)
『独房』…もっと暗い、重苦しい話だと思っていた。明るく朗らかで、自分の信念に負けずに生きる強さを感じる。多喜二はきっと男にも女にもモテたろう。
『党生活者』…社会の戦争への傾倒や、生活の貧困度が増していく具合と共に、佐々木の生きることへの偏りと窮屈さが顕著になってくる。貧困と労働者への戦いと言い乍ら、笠原への経済的・物質的依存が高まっている。折しも、今日の折々の言葉は金子光春の「自身の業の重み」についての話だった。
労働組合やストライキの行使など、彼らの社会闘争の上に、今の生活があることも事実なのだ。
読了日:02月22日 著者:小林 多喜二

著者 :角川エンタテインメント
私にとって黒澤明作品は今の所、大当たりか大外れしかない。これは外した方。
百閒先生の一風変った特異さが描かれるのはよしとして、何故そこに教え子たちが惹かれ、何くれとなく一生貢いで付いていったのか、その魅力と吸引力が全く伝わらない。戦時中に背広を着て肉を食える階級の人たちの馴れ合いにしか見えなかった。残念。
監督・黒澤明、 視聴日:02月22日

| 読書録 | 15:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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1月の読書

 元旦のおみくじで、「目標は早めの決断を」というので、
飽きもせず五段受審の申し込みをしたんですが、
駄目ですな、全然そちらに気が向いていない。
ただまあ、読むこと坐ることは続けていますよ。

五段の方は、週一で大人の稽古最後の20分位
(3時間は道場に居るのに子どもの相手をしていると
自分が竹刀振れる時間はだいたいそんなもん)
出来たらいい方なんですが、それにしても「これ」といったものが掴めない。
私の剣道は、「大きい剣道をしているから、当たる当たらないは気にしなくていい」
と言って頂くことが多いのですが、
それにしたってこう決定打が取れない続きじゃ首を捻りたくもなるわな。
「君の剣道は、四段の実力はもう十分にある。
だけど五段になるには、更にその中で光る強さ、説得力を持たないと。
君はまだそこに至っていないのは、自分で分かるだろう?」
と師範に云われましてナ。
そこは分かってんやで!
それをどしたらいいのん?ってのが分からんのさ!!


1月の読書
読んだ本の数:8
読んだページ数:1256

ルソーとの散歩 (1980年) (白水叢書)ルソーとの散歩 (1980年) (白水叢書)
満喫。大当たりの1冊だった。
私はオスカル様が読んでいたから、という理由でルソーを読み始めたのだが、著者の今野一雄さんは心酔していた藤村の作品の前にルソーの一文が引用されていて、その読解がしたくて、それが率いては仏文翻訳者になったきっかけなのだそうだ。藤村も藤村でルソーにはまったらしいきっかけはあるのだが、それはまあ本文に譲るとして、勝手に親近感を覚えた次第。
学術的に分からない所は素直に「僕には分からない」と書く筆者の姿勢はさりげなく、かつ賞賛に値する。
読了日:01月03日 著者:今野 一雄

石清虚石清虚
『聊斎志異』から翻訳のもの。

読了日:01月06日 著者:国木田 独歩

日の出日の出
とても良い。独歩さんの学校モノは私的に外れがない。新年早々未来に向かって優しい気持ちになる話。
単行本に収録されていない話なの、勿体無いなあ。
読了日:01月06日 著者:国木田 独歩

ミステリと言う勿れ 1 (フラワーコミックス)ミステリと言う勿れ 1 (フラワーコミックスアルファ)
面白かった。舞台劇のように畳み掛ける会話劇。一気読み。第二話の続きが1/27日発売の本誌で読めるそうなので、久しぶりにフラワーズ買う予定。←後編読んだ。面白い。ほぼ室内劇なのに一気に畳み掛けるところがいい。これ、ぜひ実写ドラマでやって欲しい。役者さん泣かせだと思うけど。整君はぜひ渡部豪太君で。
読了日:01月10日 著者:田村 由美

父帰る父帰る
こちらの 朗読 より。
 多喜二の作品は、家族間のつながりと意志の強さが感じられる所が、優しくていい。
読了日:01月20日 著者:小林 多喜二

屍者の帝国屍者の帝国
息子とのお勧め交換本より。う~ん…。登場人物がジョン・ワトソンやカラマーゾフ兄弟やレット・バトラーといった、有名小説の登場人物の競演といった設定は面白い。ただ、謎が謎を呼び、質問を質問で返し、いつになっても本題に入り込めない。やっとちょっと興味を持って読み始められたのは3章の終わりになってからだった。ザ・ワンのやりたい事は分かったが、結局最後まで主人公・ワトソンが何を望んで何を好む人なのか、魂の熱のある所が読み取れなくて残念感が強かった。このあと兄もお勧めというので、一番売れた『虐殺機関』に手を出す予定。
読了日:01月26日 著者:伊藤 計劃,円城 塔

星戀 (中公文庫)星戀 (中公文庫)
星の抱影はいいなあ。ロマンと、愛だ。エッセイと俳句の組み合わせもいい。
読了日:01月28日 著者:野尻 抱影,山口 誓子


小川忠太郎先生の教え小川忠太郎先生の教え
平成28年11月6日荻窪道場発行。非売品なので一般流通されない本ですが良かったので記録として。
読みながら傍線を引いた所。
・本当の正しいのは、絶対の正しいんだから、人と争わないよ。
・稽古は口じゃあ駄目。百錬自得するのがいいってことだから。
・剣道には相手がある。この自分の構えの中に、相手が入っちゃわなきゃいけない。
構えを解いても目に見えない糸で繋がっているんですよ。
これ縁という。それでお互いが仲良くずっと和していってるわけ。
・人を教えるなんていう気持ちが爪の垢ほどでもあるうちは、そこへ行っていない証拠なの。
・その根本は、呼吸だよ。
←久しぶりに道場に行って、子どもたちに話す時に、やたら自分のことを「先生がね」と言っている事に気づく。
今までかなり自戒していたのでやったことなかった筈なんだが、
久しぶりに行って、子どもたちに忘れられてるんじゃないかっていう不安が強いのかな。
全然「そこへ行っていない」と思った。
読了日:01月30日 著者:小川 忠太郎

| 読書録 | 09:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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師走朔日

 恒例の『今年の1番!』開催します。
今年は色々ご無沙汰したままなので、どれだけ集められるか分かりませんが。
それでもね。
誰かと楽しみを共有できたら楽しいじゃない。


11月の読書
読んだ本の数:15
読んだページ数:2261

聊斎志異 (岩波少年文庫 (507))聊斎志異 (岩波少年文庫 (507))
大変面白かった。中国の昔話集のような感じ。人間と他の生き物が会話し、死者と普通に婚姻する。その世界の広さと垣根の低さに感嘆した。独歩さんや、芥川、太宰、中島敦が好んだというのも頷ける。
読了日:11月01日 著者:蒲 松齢


蒲団・重右衛門の最後 (1952年) (新潮文庫〈第310〉)蒲団・重右衛門の最後 (1952年) (新潮文庫〈第310〉)
『重右衛門の最後』だけ。自然描写の解放的な伸びやかさと、地方の閉鎖的な因習とが象徴的な一本だった。この明るさと暗さの同居、思っていたより自分には好みだ。
読了日:11月01日 著者:田山 花袋


河童 他二篇 (岩波文庫)河童 他二篇 (岩波文庫)
正直、表題作はよく分からなかった。
『蜃気楼』はいい。丁寧な生活描写。透き通った空気の匂いがする。作者自身の今後もちらついていてぞっとするではないか。
『3つの窓』の方は、その世界にいなけりゃ分からない閉鎖された人間独特の空気が読み取れる。誰もその場に居なけりゃ本当のことなんて分からないのだ。
読了日:11月02日 著者:芥川 竜之介


黄金の林黄金の林
独歩『親子』、治子『破産』収録。
画像が荒く読みつらいが、短編なので頑張れるか。『破産』は筑摩の明治文学全集82でも読むことが出来る。
『親子』は、お信さんの親とこうして邂逅したかったのであろうなあ、との思いが切実に感じられる作品。
『破産』も独歩社のことをそのまま書いているので、当時の和気藹々とした明るい社風と、会社創立時の借金が膨らんで追われていく様がよく分かる記録作品。岡村とその周りに人たちが優しくていい。
読了日:11月06日 著者:国木田 独歩 国木田 治子


侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な (岩波文庫)侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な (岩波文庫)
『侏儒の言葉』の方は、断片的過ぎてよく分からなかった。
『文芸的な~』の方はまだ幾らか思考が纏まった感じ。途中、犀星や子規が賞賛されるのを見て、彼は短文ではなく究極的に言葉を削っていくことによって思考を感情のまま表現できる、と実験したかったのではないかと感じた。だから言文一致の時節にあれだけごろごろ変化していった国木田独歩を賞賛してるのだ。解説で、朔太郎にに詩人として拒絶されたという話を読んで得心する。私としては、彼の、詩人に憧れ俳人に焦がれて書かれた短編小説が面白いのに、と思ったのだった。
読了日:11月09日 著者:芥川 竜之介


でんでんむしのかなしみ―いのちのかなしみ・詩童話集でんでんむしのかなしみ―いのちのかなしみ・詩童話集
『きつねの窓』ぐらいまではとても面白く読んだが、その後は同系色の作品を集めてばかりだったので少々飽いた。「死」をテーマにしてももうちょっと編集にバリエーションが欲しかった。
白秋の「カステラ」がいい。毛虫の漫画を描いたばかりだったので余りに近くてびっくりした。
読了日:11月09日 著者:新美 南吉,橋本 美代子,宮沢 賢治,吉田 光恵,ならだて なつこ,安藤 由希,北原 白秋,赤城 礼子,田島 稚子,山口 順子,安房 直子,大山 若菜,小川 未明,長森 貴美,鬼塚 りつ子,大林 真紀子


思ふどち思ふどち
まずタイトルの意味が分からなかったのだが、「気の合うもの同士、親友」といった意味だそうだ。自分の意思での結婚がままならなかった時代の女性達の友情が優しくも、悔しい。また、おそらく花袋が一度も合うことのなかった親友の元奥さんを髣髴ともさせる。
読了日:11月12日 著者:田山花袋



別るゝまで別るゝまで
『朝』収録。主人公のモデルは国木田独歩。あああ、これは怖い。可愛さ余って憎さ100倍といった所か。周囲の軋轢から自分達の思いのままに動けず、振られて自信を喪失し、狂気に走っていく様が怖い。
花袋は紀行文とかのんびりした作品のイメージがあったのだが、これはジェットコースタードラマのような展開の早さで、こんなのも書くんだ!と意外だった。身近にモデルが居たからの例外かしらん。
読了日:11月14日 著者:田山 花袋


別れてから別れてから
『朝』収録。これも主人公のモデルは国木田独歩。前作の『別るゝまで』が狂気から来る凶行で終わったのに比べ、新しい恋の始まりを予感させる所で終わる。何でしょう、性格的なものもあると思うが、女性にマメで相手のふっとした所を捉える加藤君、モテたんでしょうなあ。
読了日:11月14日 著者:田山 花袋


温泉めぐり (岩波文庫)温泉めぐり (岩波文庫)
なるほど、国木田独歩に小説の手ほどきをしたのは花袋だというだけあって、温泉版『武蔵野』といった印象を受けた。自然描写が丁寧で映画を見るような美しさ。のんびりゆったり浸らせて頂きました。
読了日:11月15日 著者:田山 花袋


文豪失格 文豪、同人マーケットに出る! ?編 (リュエルコミックス)文豪失格 文豪、同人マーケットに出る! ?編 (リュエルコミックス)
ネットでの連載で読んでいたが購入、面白かったー!文豪ゼミナール編がじんわり。
読了日:11月17日 著者:千船 翔子


長谷川君と余長谷川君と余漱石と二葉亭の出会いと交流を書いたもの。
二葉亭の淡々とした性格が読めて楽しい。
読了日:11月23日 著者:夏目 漱石


鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年
漱石から『赤い鳥』を主催した鈴木三重吉に当てた書簡。漱石の鈴木に対する評価の高さと、遠方に居る知人に対して(身近な者にはしにくい)吐露する心情が驚くほど素直で人柄が偲ばれる。
読了日:11月23日 著者:夏目漱石


自然主義文学盛衰史 (講談社文芸文庫)自然主義文学盛衰史 (講談社文芸文庫)歯に衣着せぬざっくばらんな白鳥の物言いがいい。柳田のつっけんどんさとは違い、当事者ならではの切って切り離せぬものに対する億劫さと嫌気と、愛がある。明治から戦後へ長く生き延びた人の哀切が淡々と語られ、逆算して明治の冒頭に大きな転機を見せた露伴の評で終わる所もなかなか良かった。藤村、秋声、秋江らのファンの人は特に面白いと思う。
読了日:11月25日 著者:正宗 白鳥


あいびきあいびき
文アル読書会の感想公表が今度の木曜なのでそれまで感想空白。
読了日:11月30日 著者:イワン・ツルゲーネフ



 私の『今年の1番!』は公然とばれそうですな。
つまりは今月も独歩さん周りの読書でした。
楽しい・・・。

私信>はじめちゃん、遠からずお返事書きます、いつもありがとう。

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霜月朔日

 うぬぬ。
まあ其れ成りに想定していたつもりですが、中々厳しい状況続行中でありまする。
私が焦った所でどうとなるものでもありませんけれども。
国木田治子さんとか高村智恵子さんとか偉いなと思ふ今日この頃。

 坐る方は100呼吸28分いった次の日に10分で気が散ってカウントをロストするとか、
ぎっこんばったんやっておりまする。
でも神経緩和剤呑むより副作用が無くていい。
いい精神安定剤。

 『芸術新潮』11月号北斎特集を買いました。
おまけについてくる北斎漫画復刻版。
暫く絵の練習にコレの模写をしようかと思っていたのですが、
難易度が高くてちょっと躊躇しておりまする。
夫には「買った画集、片端から描かなきゃいけない訳じゃないんだよ?」
と言われるんですが、画集なんて高価なもの、
買ったら写さないとと思う私は根っから貧乏性なんでしょうかね。
毎度結局全部は写しきれなくて力尽きているんですけれども。

10月の読書
読んだ本の数:5
読んだページ数:1319

日本文学史 - 近代・現代篇二 (2011-09)日本文学史 - 近代・現代篇二 (2011-09)
自然主義からの文壇の流れ、作家の思想から生まれる作品の粗筋がまとめて読めて楽しかった。ゲーム文アルに出てくる作家が大勢簡潔に説明されているので、自分の推しのところを読むだけでも楽しいかも。それにしてもこれだけの作品量を、周辺事項まで含めて愛ある情熱で読み潰すドナルド・キーンは凄いなあ!
読了日:10月13日 著者:ドナルド・キーン

ヒャッケンマワリ (楽園コミックス)ヒャッケンマワリ (楽園コミックス)
百閒先生を知らなくても楽しめる。明治から戦前にかけての生活が重層的に描かれていて、淡々と、しかしみっしりした重量感を持って立ち上ってくる。盲目の検校との付き合いは、良かったなあ。
読了日:10月18日 著者:竹田昼

銀河鉄道の彼方に銀河鉄道の彼方に
始めに、ジョバンニと思われる人物が「G※※」と表記され、カムパネルラは「C※※」、では「T※※」は高田三郎?(又三郎)などと賢治パロとして楽しんでいた。その後世界が跳び、読んでいる最中、色んな言葉が私の中を錯綜した。
ソクラテスはプラトンに、その場、その時によって言葉の意味や捉え方はまるで変わるのだから、私の言ったことを文字にするな、と禁じたそうだが、その事を思い出した。
この間『維摩経』の解説で、「何物にも捉われない事」というのを読んだが、言葉が何を指し示すのかさえ捉われない、という世界に驚いた。
『風姿花伝』にある「時分の花をまことの花と知る心が、真実の花になほ遠ざかる心なり」の事を言っていると思った。
竹西寛子の「もはや記憶の中にしか留まり得ないものは「ない」のか「ある」のか」という疑問の答えに向かっていて圧倒された本だった。
読了日:10月21日 著者:高橋 源一郎

恋する民俗学者 (1) (カドカワコミックス・エース)恋する民俗学者 (1) (カドカワコミックス・エース)
この時代の自然主義を当時の世相も含め実に丁寧に漫画化していると思った。木曜会辺りはよく作品化されているが、江戸から明治への過渡期だった自然文学を描いている作品は少ない。それだけでも貴重で良作だと思う。ただし、厭世観の強い柳田(本作では松岡)を題材にしているせいか、明治の社会的激動と独歩曰くのアンビション(野望論)、書かざるを得なかった作家たちの激情に欠ける所が残念でならない。
読了日:10月22日 著者:中島 千晴

新婚のいろはさん(1) (アクションコミックス(月刊アクション))新婚のいろはさん(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
あっさり軽めな恋愛っぽいものを読みたい人には良いかも。
読了日:10月26日 著者:OYSTER

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