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おひさまのかたち

日々つれづれ。剣道・読み語りなど

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卯月の読書。

 ゆっくり、じっくり考えてからお返事をしよう、あれをしよう、
などと考えている内に完全に時機を逸する、ということをやらかしております。
イシデ先生の『私という猫』の感想締め切り、昨日までだった・・・。
悉くアホである。へそを噛め。
こういう、どうでもいいのは延々書けるのだが。

 そして積読大量消化の為、無駄に長い。
暇な時に読んで。

4月の読書
読んだ本の数:14
読んだページ数:2467

ノースライト『ノースライト』
店長が延々と横山秀夫のミステリーの巧さについて述べるものだから、手に取って、後ろの参考文献見たらもう速攻で購入決めた本。
「本に呼ばれる」、ってあるよね。
誰一人として殺人が起きている訳でもないのに気になってぐいぐい読み進めてしまった。
自分自身の最高傑作とも言える注文住宅を建てたが、その家には誰も越してこないという事件が発生。
家一件分の買い物なんて安くは無い筈だが、一家はどこへ行ったのか・・・?というミステリー。
建築なぞに興味のない息子にも好評だったので、普通にミステリーとして面白いのだ。
戦時中日本に疎開してきたブルーノ・タウトという建築家と現代建築(現代の建築家)とを非常に巧く繋いでいる。
タウトは、日本が雇った建築家という訳ではないのだが、
日本への惚れ込み方が何となくコンドル先生に似ていて、好きなのでより楽しかった。
本編、バブル崩壊後に辛酸を舐めた一級建築士が主人公。
離婚も経験し、思春期を迎える娘とも別居だし、
傍から見たらなかなか幸せとは言い難い生活なのだけれど、
人間関係がどこか暖かいのだ。そこが良い。そこがとても良い。
読了日:04月01日 著者:横山 秀夫

余は大衆作家にあらず『余は大衆作家にあらず』
久しぶりに文アル読書会課題図書を読んではみたのだが、定義する言葉に拘っている割に話に実が無いように感じてしまった。
冒頭の「芸術とはなんぞや」の答えはついぞ明かされないままのようで、残念。
読了日:04月04日 著者:中里 介山

火の車板前帖『火の車板前帖』 (ちくま文庫)
ああ、面白かった。詩人が生きるとは、こういうことなのだ、と一番近くで見てきた人の話だ。
詩人・草野心平の板前弟子の記録とでも言おうか。
千代さんは戦後の闇の魚の行商で生き繋いできた人だ。
お父さんは子どもの頃の重労働が原因で半ば知恵遅れの扱いを村で受けている。
そういう中で育って、抜け出そうとあがいてきた千代さんは学が無いというが、
魂で生きているのだと、そういう時代と生きてきたのだと思う記録だった。
詩人の「犬だってニンゲンだ!」とか「電柱の言葉を聴くんだよ。」というのは胸に残る。
読了日:04月13日 著者:橋本 千代吉

教育漫才で、子どもたちが変わる『教育漫才で、子どもたちが変わる―笑う学校には福来る』
教育研究会のレポートといった感じ。
漫才で子どもたちのチームワークを復活させるという教育論。
校長先生の立場でこういったことを打ち出せるのは立派だと思うし、
自分達も実践しようとする姿は素晴らしい。
うちでは40年以上前から似たようなこと(夏季合宿の演芸会)をやっているので、比較対象としても面白かった。
ただまあ、文章として心に響く一文、えぐられるような所が全く無かったのは残念。
読了日:04月15日 著者:田畑 栄一

剣道日本 2019年 1月号『剣道日本 2019年 1月号』
作法についての特集が大変に良かった。剣道の技についての本は多々あれど、礼法についてはなかなか解説されないのでどんどんやって欲しい。こういうことを打ち出してくれる特集は有難い。
読了日:04月18日 著者:株式会社 剣道日本


剣道日本 2019年 2月号 『剣道日本 2019年 2月号』
平常心特集。うちが載ったので買う。
斎村五郎範士の若い時の喧嘩話はいつ読んでも面白い。
剣聖だって若い時にはやんちゃするのだ。
読了日:04月18日 著者:株式会社 剣道日本

剣道時代2019年5月号『剣道時代2019年5月号』
「歴史案内」のコーナーが英国大使館で、榊原鍵吉の撃剣興業についてだったので久しぶりに購入。
なかなか大使館資料とか一般人が漁るのは難しいので、こういうのをもっとやって欲しい。
読了日:04月18日 著者:

星の文人 野尻抱影伝 『星の文人 野尻抱影伝』 (中公文庫)
ああ、楽しい。石田五郎の文章はいいなあ。
以前よく分からなかった早稲田文豪と抱影さんのつながりが分かるようになってきたのでより楽しい。
独歩さんの死の報を受けて山ほどのダリアを貰う話とか、
スペイン風邪の猛威の辺りは、やっぱり好きなのだ。
結局、漫画に出来なかったが。
戦前派・野尻抱影の頑固さは今の人には耐え難い部分もあるだろうと思うが、
善人としてだけで無くそういうところも書き残す石田五郎の筆力、判断力が良い。
文庫版以前に読んだ、弟・大仏次郎作品の舞台化で、
背景の月の形と向きが場所の設定からするとおかしい、と直させた話とか、
石田五郎が徴兵と出征を避ける為に理数系大学を受験する話とかこれで読んだ気がしたのだが、出てこなかったな。
これで無いとすると、何で読んだのだったかな。
読了日:04月19日 著者:石田 五郎

藤村詩集『藤村詩集』 (新潮文庫)
読了ー! 
まだ言葉の意味がつかみかねて栞挟んだままになっているところ沢山あるけれども。
膨大な語彙の豊富さ、西洋と東洋の文化的守備範囲の広さ。
「恋愛」の認識を持った最初の詩人、というだけあって、
取り留めない激情をほぼ総て五七言葉で表現する所は面白かった。
「おきく」の詩に出てくる「治兵衛はいづれ恋か名か~」の治兵衛は歌舞伎の演目が題材になっている
などということが今の時代の私達にはなかなか分かりにくい。
そうした解説がどこかでなされているといいのに、とちょっと思った。

 先日父に「今何読んでるの?」と訊かれたので本を見せたら、「小諸なる~」を朗々と唄い始めた。
浪人中、長野の寺に合宿していた時分に、「藤村も読んでいないのか、『破戒』位読んでおきなさい」
と坊さんに言われて、「新平民」という言葉も存在も初めて知ったのだそうだ。
「~それで、他のも読んだんだよね。」
・・・そんな話、始めて聞いたよ!
読了日:04月22日 著者:島崎 藤村

木に学べ―法隆寺・薬師寺の美『木に学べ―法隆寺・薬師寺の美』
興味ある古代建築を生き継ぐ棟梁の話だが、現代の学者や現在についてディスりが酷くて読むに堪えず。
先人の思想と技術を尊崇することは非常に素晴らしいが、
他者を貶めるものの言い方がこの人の価値を下げていて尊敬できず。
読了日:04月22日 著者:西岡 常一

巌流島・藤十郎の恋『脳を鍛える大人の名作読本〈9〉巌流島・藤十郎の恋』
菊池寛、面白かったー!
本当は『巌流島』目当てで買ったのだけれど、こちらは引用される古文書の理解が難しくてすんなり入ってこなかった。
『春坊』は、大正期の児童文学雑誌全盛期の作品感
(丁寧過ぎるほどの言葉遣い、主人公が子ども、大人とのやり取りで話が構成される)に満ちていて良作。
『藤十郎の恋』は、元禄時代の歌舞伎役者の克己の話で、
当時の上方歌舞伎の用語がふんだんに出てくるので慣れるまで苦戦したが、
言葉遣いは現代に近く読みやすい。
後半のえぐりこんでいく藤十郎の思考は、坂をめりこんでいく怖さがあって面白かった。
読了日:04月23日 著者:

これはのみのぴこ『これはのみのぴこ』
恒例の読み会勧誘の読み本。
結局前日まで決まらず、「明るくて短い話がいいよ」という夫の言でこれに。
数知れず読んでいる本だし、練習もしていったのだが、当日2度も詰まるし息継ぎ失敗する。
・・・見学、来てくれるといいなあ。
・・・っていうか、メンバー増えるといいなあ。
読了日:04月25日 著者:谷川 俊太郎

だいくとおにろく『だいくとおにろく』
上記勧誘に使おうかと思ったのだが、手持ちがソフトカバー本で使いづらかったので中止。
読了日:04月25日 著者:松居 直

文豪お墓まいり記『文豪お墓まいり記』
実は、この本を読んでいる時に偶然お友達のスウちゃんもナオコーラさんを読んでいた。
この人の等身大のエッセイはとても良い、ということで意見が一致する。
同じ本の感想をなかなか人と同じタイミングで語ることは難しいので、こういう体験は非常に貴重なのだ。
そういうところがとても楽しかった。
本書は、文豪のお墓まいりに行って、その文豪の作風や思想にちょこっと触れながら、
おいしいものを食べに行くエッセイだ。
1章ごとにそうそう!とかわかるなあ、みたいな事をうろうろ考えて、感想をつぶやきたくなる。
バスに乗る度に1章づつ読んでいた。
少し読んでは、考えにふける、そんな読み方が楽しい本だった。
読了日:04月27日 著者:山崎 ナオコーラ

映画『タクシー運転手 約束は海を越えて
 この間韓国映画が当たりが多いので、お勧めにあった作品。
光州事件というのを全然知りませんでした。
家賃が稼ぎたいが為に払いのいい外国人を乗せただけのタクシー運転手と、
刺激が欲しくて事件を追いかけてきた外国人記者。
韓国最大の事件といわれる光州事件に巻き込まれていく話。
なんで事件が起こったかとか、そういうのは一切描かれません。
でも民衆心理の恐ろしさは十分伝わる。
コメディタッチの明るさからきちんと社会問題に光を当てている所が凄い。
今の日本はこれが全然出来ていない。
娘が可愛いだけの不器用なお父さんとか、
何となくでデモに参加している音楽好きの大学生とか、
外国語なんて分からないしがないタクシー運転手とか、
みんな普通じゃん、って思う。
そういう人が国家というものに巻き込まれていった時に、
何が出来るかってこっそり問うようなお話でした。
アーレントの映画思い出す。
巧く説明できないけど、凄く面白かった。
篤い友情もの。

 それと、4月の100分de名著、マルクス・アウレリウスの『自省録』。
岸見先生の授業はいつもとても面白い。
それにだまされて紹介されている本を買うと難しくってちっとも分からないんだけど。
「いま、ここを生きる。生きているだけで世界に貢献している」
というのは、ミジンコ自己肯定力の私にはなかなか嬉しかったですよ。

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