おひさまのかたち

日々つれづれ。剣道・読み語りなど

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ICU

 なんだか長く更新しないのも気分が悪いので近況だけ。



息子が交通事故に遭いまして、意識不明の重態でした。
救急車の中で脳波がフラットになったのを見ました。
2週間、15分の面会時間だけの為にICUに通っていました。
私たちには、寝返りを打つような無意識反応と、
意識があって行動する意識反応との区別が付かないので、
いつまで意識不明で、いつから意識が回復期にあるのか分かりません。

目が覚めないでいる2週間の間、彼はどんな夢を見ているんだろう、と思っていました。
ぼんやりと目が覚めてきて、人工呼吸器を長く咥えていた為に閉じにくくなった口で語るには、
彼の会話の中では、彼が小学生の時分に死んだ猫が、元気でうちにいるのでした。
次の日に行ったら、高校生の筈の彼は中学生で、部活にいそしんでいました。
今でもまだ会話が前後し、彼の中では確実で、私たちにはとりとめのない話を繰り返します。
私たちには、のび太君の机の中のような、
もの凄い時間の流れの中で生まれ直している未来人がそこにいるように見えます。

そして実際に彼は急に髪が伸び、眉が濃くなり、ひげが伸びています。
科学的には、点滴の高濃度栄養素の影響とか、
事故の後遺症で体が患部を守ろうとしているから、とか色々あるでしょうが、
科学とかそういうんじゃ測れない、生き物の力そのものを見せ付けられているように思います。

 以前、
「たくさんカード(やらなければならないこと、やりたいこと)を目の前に広げるとねえ、
どれもおいしそうで、どれも大事で、どれも惜しくなってしまう。
だから全部を重ねて、一つ一つめくっていけばいいのよ」
って座禅の先輩に言われて、
私の中でひとつ脱皮できた気がしたのですが、そんなのぜんぜん甘かった。

今回の件で、参加していた全ての活動を停止させて貰い、
ICU面会の15分だけの為に生活の全てを廻しました。
世の中の見通しが急によくなった。

ICUの人達は、着実なことしか言わない。
言葉の一つ一つ、間違った希望を持たせない為、
今後にすべき準備が足りないことのないように神経を使って、話す。
「いま、ここ」を着実に踏むとはどういうことかを不夜城で貫いてる。

私は自分の存在がどこへ行ってもプロとして成り立たないことに
劣等感を持っていたのですけれど、
今、今ここにいる自分が成せることは何かを
未来人に問われている気がするのです。

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