おひさまのかたち

日々つれづれ。剣道・読み語りなど

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師走朔日

 恒例の『今年の1番!』開催します。
今年は色々ご無沙汰したままなので、どれだけ集められるか分かりませんが。
それでもね。
誰かと楽しみを共有できたら楽しいじゃない。


11月の読書
読んだ本の数:15
読んだページ数:2261

聊斎志異 (岩波少年文庫 (507))聊斎志異 (岩波少年文庫 (507))
大変面白かった。中国の昔話集のような感じ。人間と他の生き物が会話し、死者と普通に婚姻する。その世界の広さと垣根の低さに感嘆した。独歩さんや、芥川、太宰、中島敦が好んだというのも頷ける。
読了日:11月01日 著者:蒲 松齢


蒲団・重右衛門の最後 (1952年) (新潮文庫〈第310〉)蒲団・重右衛門の最後 (1952年) (新潮文庫〈第310〉)
『重右衛門の最後』だけ。自然描写の解放的な伸びやかさと、地方の閉鎖的な因習とが象徴的な一本だった。この明るさと暗さの同居、思っていたより自分には好みだ。
読了日:11月01日 著者:田山 花袋


河童 他二篇 (岩波文庫)河童 他二篇 (岩波文庫)
正直、表題作はよく分からなかった。
『蜃気楼』はいい。丁寧な生活描写。透き通った空気の匂いがする。作者自身の今後もちらついていてぞっとするではないか。
『3つの窓』の方は、その世界にいなけりゃ分からない閉鎖された人間独特の空気が読み取れる。誰もその場に居なけりゃ本当のことなんて分からないのだ。
読了日:11月02日 著者:芥川 竜之介


黄金の林黄金の林
独歩『親子』、治子『破産』収録。
画像が荒く読みつらいが、短編なので頑張れるか。『破産』は筑摩の明治文学全集82でも読むことが出来る。
『親子』は、お信さんの親とこうして邂逅したかったのであろうなあ、との思いが切実に感じられる作品。
『破産』も独歩社のことをそのまま書いているので、当時の和気藹々とした明るい社風と、会社創立時の借金が膨らんで追われていく様がよく分かる記録作品。岡村とその周りに人たちが優しくていい。
読了日:11月06日 著者:国木田 独歩 国木田 治子


侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な (岩波文庫)侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な (岩波文庫)
『侏儒の言葉』の方は、断片的過ぎてよく分からなかった。
『文芸的な~』の方はまだ幾らか思考が纏まった感じ。途中、犀星や子規が賞賛されるのを見て、彼は短文ではなく究極的に言葉を削っていくことによって思考を感情のまま表現できる、と実験したかったのではないかと感じた。だから言文一致の時節にあれだけごろごろ変化していった国木田独歩を賞賛してるのだ。解説で、朔太郎にに詩人として拒絶されたという話を読んで得心する。私としては、彼の、詩人に憧れ俳人に焦がれて書かれた短編小説が面白いのに、と思ったのだった。
読了日:11月09日 著者:芥川 竜之介


でんでんむしのかなしみ―いのちのかなしみ・詩童話集でんでんむしのかなしみ―いのちのかなしみ・詩童話集
『きつねの窓』ぐらいまではとても面白く読んだが、その後は同系色の作品を集めてばかりだったので少々飽いた。「死」をテーマにしてももうちょっと編集にバリエーションが欲しかった。
白秋の「カステラ」がいい。毛虫の漫画を描いたばかりだったので余りに近くてびっくりした。
読了日:11月09日 著者:新美 南吉,橋本 美代子,宮沢 賢治,吉田 光恵,ならだて なつこ,安藤 由希,北原 白秋,赤城 礼子,田島 稚子,山口 順子,安房 直子,大山 若菜,小川 未明,長森 貴美,鬼塚 りつ子,大林 真紀子


思ふどち思ふどち
まずタイトルの意味が分からなかったのだが、「気の合うもの同士、親友」といった意味だそうだ。自分の意思での結婚がままならなかった時代の女性達の友情が優しくも、悔しい。また、おそらく花袋が一度も合うことのなかった親友の元奥さんを髣髴ともさせる。
読了日:11月12日 著者:田山花袋



別るゝまで別るゝまで
『朝』収録。主人公のモデルは国木田独歩。あああ、これは怖い。可愛さ余って憎さ100倍といった所か。周囲の軋轢から自分達の思いのままに動けず、振られて自信を喪失し、狂気に走っていく様が怖い。
花袋は紀行文とかのんびりした作品のイメージがあったのだが、これはジェットコースタードラマのような展開の早さで、こんなのも書くんだ!と意外だった。身近にモデルが居たからの例外かしらん。
読了日:11月14日 著者:田山 花袋


別れてから別れてから
『朝』収録。これも主人公のモデルは国木田独歩。前作の『別るゝまで』が狂気から来る凶行で終わったのに比べ、新しい恋の始まりを予感させる所で終わる。何でしょう、性格的なものもあると思うが、女性にマメで相手のふっとした所を捉える加藤君、モテたんでしょうなあ。
読了日:11月14日 著者:田山 花袋


温泉めぐり (岩波文庫)温泉めぐり (岩波文庫)
なるほど、国木田独歩に小説の手ほどきをしたのは花袋だというだけあって、温泉版『武蔵野』といった印象を受けた。自然描写が丁寧で映画を見るような美しさ。のんびりゆったり浸らせて頂きました。
読了日:11月15日 著者:田山 花袋


文豪失格 文豪、同人マーケットに出る! ?編 (リュエルコミックス)文豪失格 文豪、同人マーケットに出る! ?編 (リュエルコミックス)
ネットでの連載で読んでいたが購入、面白かったー!文豪ゼミナール編がじんわり。
読了日:11月17日 著者:千船 翔子


長谷川君と余長谷川君と余漱石と二葉亭の出会いと交流を書いたもの。
二葉亭の淡々とした性格が読めて楽しい。
読了日:11月23日 著者:夏目 漱石


鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年
漱石から『赤い鳥』を主催した鈴木三重吉に当てた書簡。漱石の鈴木に対する評価の高さと、遠方に居る知人に対して(身近な者にはしにくい)吐露する心情が驚くほど素直で人柄が偲ばれる。
読了日:11月23日 著者:夏目漱石


自然主義文学盛衰史 (講談社文芸文庫)自然主義文学盛衰史 (講談社文芸文庫)歯に衣着せぬざっくばらんな白鳥の物言いがいい。柳田のつっけんどんさとは違い、当事者ならではの切って切り離せぬものに対する億劫さと嫌気と、愛がある。明治から戦後へ長く生き延びた人の哀切が淡々と語られ、逆算して明治の冒頭に大きな転機を見せた露伴の評で終わる所もなかなか良かった。藤村、秋声、秋江らのファンの人は特に面白いと思う。
読了日:11月25日 著者:正宗 白鳥


あいびきあいびき
文アル読書会の感想公表が今度の木曜なのでそれまで感想空白。
読了日:11月30日 著者:イワン・ツルゲーネフ



 私の『今年の1番!』は公然とばれそうですな。
つまりは今月も独歩さん周りの読書でした。
楽しい・・・。

私信>はじめちゃん、遠からずお返事書きます、いつもありがとう。

| 読書録 | 21:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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