おひさまのかたち

日々つれづれ。剣道・読み語りなど

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光る未来

 この間久しぶりに坐禅会に行って、行きつけの古本屋に行って2冊ほど買って来ました。
うち一冊が『草野心平詩集』(新潮社・豊島与志雄編)。
久しぶりに読むけど、いいな、心平さん。
落ち(ラストに掲載されている詩)が『冬眠』でした。
そこも洒落てる。

詩集ってのは、1冊に色々入っているもんだから、
買って読み出したら欲しい詩が入っていなかった残念、
ってこともままあるのだけれど、これは当たりでしたな。
「わが抒情詩」と「私は信じ私は待つ」とか好きなのが幾つも入っていていいわ。

草野心平といえば宮沢賢治の信奉者で有名なんだけれども、
以前読んだ時は、その表面的なところしか分からなかった。
硝子とか地球とか蛙を書くような。
久しぶりの再会で思うのは印象が違うなあ。

「小岩井農場 パート9」 宮沢賢治 (以下、賢)
すきとほってゆれているのは
さっきの剽悍な四本のさくら
わたくしはそれを知ってゐるけれども
眼にははっきり見てゐない

「大ガラスの下」 草野心平 (以下、心)
天の無色の街道を
キキキキキキキキ寒波は流れ。
・・・
(賢)
ユリアがわたくしの左を行く
ペムペルがわたくしの右にゐる
・・・・・・はさっき横へ外れた

(心)
自分は独りこの角を曲がる。

・・・
(賢)
この冬だって耕転部まで用事で来て
ここいらの匂いのいいふぶきの中で
なにとはなしに聖いこころもちがして
凍えさうになりながらいつまでもいつまでも
いったり来たりしてゐました

(心)
それでもここにかうしてゐれば地球は廻り。
だいだいにうす墨の雲を浮かして夜明けはくる。
突ったつてここにかうしてゐるだけで自然の夜明けはくるのだが。
・・・
(賢)
ひとは透明な軌道をすすむ
ラリックス ラリックス いよいよ青く
雲はますます縮れてひかり
かっきりみちは東へまがる

(心)
ああ天の。
大ガラス。
薄氷をジャリリと踏んで自分はこの道を曲がる。


 そっくりじゃないか。
そうやって、自分を形成するものが自分の血肉に溶かし込まれていくのって、いいなあ。

 ちょっといろいろ、自分が頑張った所でどうにもならないことが多くて
どこをどう踏ん張ったらいいもんだか困りますな。
希望を持たなけりゃ進めないが、どこからが欲で、
どこからが諦めて手放していいもんなんだか。
なるようにしかならぬ、を受け止めていくしかないのだけれども。


 時間よおれはおまへにきくが。
 おまへの未来はギラギラ光るか。(心平)

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