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おひさまのかたち

日々つれづれ。剣道・読み語りなど

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落としたネジ巻きと夏休み劇場

 その後の積読消化中。
・『孔雀船』伊良子清白(岩波文庫)
・『文豪お墓まいり記』山崎ナオコーラ(文芸春秋)

積読中。
・『坐禅のすすめ』内田昭夫(内田昭夫個人出版)
・『玉川大学剣道部50年史』玉川大学

・・・なんか増えてる、とか気にしない、気にしてはいけない。


 過日の太郎杯で、年長の友人に久しぶりに会った。同じ五段受審組。
何事もがさつで大雑把で「なんとなく」でことを済ませてしまう私とは違って、
彼女は大人から始めた剣道を一つ一つ納得しながらゆっくり進めていくタイプの人で、
その丁寧さに品の善さを感じて好きなのだ。

 私がここ2年ほど出稽古をサボっているうちに、
闘病中だった彼女の旦那さんは亡くなっていた。
「人より少し早かったけど、最後まで頑張ってくれて、病院で過ごしたのは最後の4日ぐらい。
いい亡くなり方だったと思うんですよ。
もう看病も必要ないし、これからやっと好きなように時間が使えるわね!
って自分でも思うし、他の人にも言って貰えたのだけれど、
ネジ巻きをどこかに落としてしまったようで、上手く動けないのよ」と言っていた。

 何だかすごく心当たりがあって、手を握ってしまった。
息子の看病はもう要らないのに、以前のように予定を入れることが怖い。
その当時、心配して手伝いを名乗り出てくれる友人達もいて、
本当にそれは有難かったのだけれど、
でも「そんなにつらいことでも大変でもないんだよな」と思っていた。
でも多分、身体のどこかこころのどこかは「大変」だったのだ。
「つらい」ことを感じないでいられた分、
「楽しい」とか「面白い」を感じる部分がおかしくなっている。

 私は以前の職場が大変合わなくて、毎日腹を立てていた。
でもこんな所で怒ったって仕方ない、意味が無い、
と思って飲み込んでいたら、変なところで笑うようになった。
職場でない場所で、「なんで笑うの?今面白いこと何にも言ってないでしょ」
って言われるまで、全然気が付かなかったのだ。
 それから他の人の「笑う」が気になるようになった。
怒りを飲み込んでいたので、吐き出し方、どう伝えていいのかが分からなくなった。
何にでも怒りを吐き出すことがいいこととはちっとも思っていない。
でも排便と同じで、出せる時にちゃんと出した方が身体にはよいのだ。
つらいのも、笑うのも、怒るのも、面白いのも。

 海外青年協力隊でアフリカの某国に行った人の話を楽しみに読んでいる。
毎日が夏休みのようなその国では、日々自分ではどうにもならない事件が起きるという。
それに悩んだ筆者さんが、「夏休みの国のプロ」とも言うべき研究者で先輩に言われたのが、
「夏休み劇場」の話だ。

——だから、何かトラブルが起きたときはまず「夏休み劇場」を疑ってください。
「おっ、始まったぞ」と思って最前席で楽しんでください。
彼らは我々のために、わざわざバスを遅らせているんですからね。


 「ああそうか、笑っていいのかー、劇場なんだから。」
って思ったらなんかもうぶわーっと涙が出た。

 どうにも世は私にのんびりさせてはくれないようで、
もう既に次の「自分ではどうにもならないこと」「自分の生活に大きく関わること」が
始まっていて、巻き込まれてくるくるしている最中なのですが、
「夏休み劇場」って唱えると、ちょっと楽しくなれる所が、いい。
またぞろ出稽古に行ったら、彼女にその話が出来るといいな、と思う。

 johatu さんの 「夏休み劇場」のブログはこちら

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